重要事項説明書補足資料

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重要事項説明書補足資料

この「説明資料」には「重要事項説明書」でご説明する法令の制限の内、都市計画法、建築基準法に基づく一般的な制限の概要が記載されています。宅地の開発行為や建築物の建築に関しては、ここに記載されている法律や法令、省令によるもののほか、地域の特性や地方自治体の政策に基づく条例、告示、指導要綱等による各種の制限が数多く設けられています。したがって、宅地開発や建築の計画にあたっては、建築士等の専門家に十分にご相談下さい。

資料1 区域区分・開発行為等の制限
資料2 市街化調整区域内における開発行為の制限
資料3 都市計画制限
資料4 用途地域における建築物用途の制限
資料5 特別用途地区・特定用途制限地域
資料6 その他の地域地区による制限等
資料7 建ぺい率の制限
資料8 容積率の制限
資料9 建築物の高さの制限
資料10 その他の建築制限
資料11 条例による制限・その他の制限
資料12 敷地の接道義務
資料13 道路の種類
資料14 土地区画整理法
資料15 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律
資料16 住宅品質確保の促進等に関する法律
資料17 公有地拡大推進法

資料1 区域区分・開発行為等の制限

区域区分(注1) 区域の特性 開発行為等の制限(注2)





市街化区域 市街化を促進する区域であり用途地域等の定めがあります。 開発行為については、原則として、都道府県知事の許可を必要とします。

※開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了公告の後は、原則として予定建築物等以外の建築物等の建築をしてはなりません(用途地域等が定められているときを除く。)。(都市計画法第42条第1項)
市街化調整区域では、開発行為及び建築物の建築等は禁止されます。

※都道府県知事は、用途地域の定められていない土地の区域での開発行為についての開発許可をする場合には、建築物の建ぺい率、建築物の高さ、壁面の位置その他建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を指定することができ、この区域内においては、原則としてその制限に違反して建築することができません。(都市計画法第41条第1項・第2項)
市街化調整区域 市街化を抑制すべき区域で、原則として建築物の建築はできません。
線引きされていない区域(非線引き都市計画区域) 市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画が定められていない区域です。
準都市計画区域 都市計画区域に準ずる街づくりの基本となる区域で、土地利用に関しては、都市計画区域に準ずる制限が定められています。
都市計画区域・準都市計画区域外

区域区分(注1) 開発許可を必要としない開発行為





市街化区域 規模 用途 公共性がある施設・事業のためのもの・その他
1,000u〔三大都市圏では500u。また、地域によって300uから1,000(又は500)uの範囲内で知事が規則で定める規模〕未満のもの。(注3) @ 一定の公益的施設〔駅舎その他の鉄道施設、社会福祉施設、医療施設、学校(大学、専修、各種学校を除く)、公民館、変電所等〕
A 国、都道府県、政令指定都市、中核市、開発許可権受任市等の行為や事業
B 都市計画としてオーソライズされた事業(都市計画事業)
C 他の法律に基づく許認可がある開発事業(土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業)
D 公有水面埋立事業
E その他(非常災害のための応急措置、通常の管理行為、軽易な行為等)
市街化調整区域 農林漁業用の建築物又はこれらを営む者が居住する住宅のためのもの(資料2参照)
線引きされていない区域(非線引き都市計画区域) 一定規模(原則として3,000u、又は都道府県の規則で定めた面積(300u以上3,000u未満))未満のもの。
準都市計画区域
都市計画区域・準都市計画区域外 1ha未満のもの

(注1)区域区分:
街づくりの基本になる区域で、都市計画法に基づくいろいろな都市計画が定められ、それに基づき土地の利用について同法をはじめいくつかの法令に制限が定められています。
(注2)開発行為:
「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物(コンクリートプラント等)の建築に用に供する目的で行なう、土地の区画・形質の変更をいいます。
具体的な事例について、開発行為に該当するか否かの判断は、市(区)町村(都道府県)に窓口で事前に問い合わせる必要があります。
   区画の変更:
道路・垣根等による土地の物理的区分の変更で、道路・水路等の新設・廃止・拡幅・付け替・交換等を含みますが、単なる登記簿上の合・分筆は含みません。
   形質の変更:
切土・盛土による土地の物理的形状の変更をいいますが、既に建築物の敷地となっている土地で、建築物の建築と一体の工事と認められる土地の掘削等は、区画の変更を伴わない限り除外されます。
(注3)
多くの自治体では、それぞれ独自の条例・指導要綱に基づいて1区画の土地の最低面積、道路の幅員、公園・緑化、義務教育施設の負担等の細かい規制を行っています。

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資料2 市街化調整区域内における開発行為等の制限

●開発行為に対する制限
1.次のいずれかに該当する場合は開発許可不要。






29
第2号 農林漁業用建築物のうち政令(第20条)で定めるもの又は農林漁業を営む者の居住用建築物の建築の目的で行う開発行為 ※(ここでいう政令とは、都市計画法施工令を指す)
第3号 一定の公益上必要な建築物の建築の目的で行う開発行為(政令第21条)
第4号 国、都道府県、指定都市等が行う開発行為
第5号 都市計画事業の施行として行う開発行為
第6号 土地区画整理事業
第7号 市街地再開発事業 の施行として行う開発行為
第8号 住宅街区整備事業
第9号 公有水面埋立法第2条第1項の免許を受けた埋立地のうち同法第22条第2項の告示がないものにおいて行う開発行為
第10条 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為

11








 






22
第1号 仮設建築物の建築のための開発行為
土木事業等に一時的に使用するための第1種特定工作物の新設のための開発行為
第2号 車庫、物置等の付属建築物の建築の目的で行う開発行為
第3号 増築に係る床面積の合計が10u以内の増築、増築の目的で行う開発行為(建築物、特定工作物)
第4号 同法第29条第2号、第3号以外の建築物の改築で用途変更のないもの又は特定工作物の改築の目的で行う開発行為
第5号 改築に係る床面積の合計が10u以内の改築の目的で行う開発行為
第6号 延べ面積50u以内の日用品店舗等のうち一定のものの新築の目的で当該調整区域に居住しているものが自ら当該業務を営むため行う開発行為で、規模が100u以内のもの
2.次のいずれかに該当する場合は例外的に許可され得る。(都市計画法第33条の基準を満たすことが前提です。)






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本文 第2種特定工作物
第1号 日用品店舗及び日常生活に必要なサービス施設の建築の目的で行う開発行為
第2号 調整区域で鉱物資源、観光資源の有効な利用上必要な建築物、第1種特定工作物の建築等の目的で行う開発行為
第3号 温度、湿度、空気等について特別の条件を必要とする政令(ナシ)で定める事業のための建築物、第1種特定工作物→ナシ
第4号 農林漁業用建築物のうち同法第29条第2号以外のものの建築目的の開発行為
調整区域内の農林水産物の処理、貯蔵、加工に必要な建築物、第1種特定工作物の建築等を目的とする開発行為
第4号の2 特定農山村法に基づく所有権移転の促進計画に従って行われるもの
第5号 都道府県が国又は中小企業事業団と一体となって助成する中小企業の事業の共同化、工場、店舗等の集団化に寄与する事業用の建築物、第1種特定工作物の建築等を目的とする開発行為
第6号 調整区域内の工場の効率化を図るため必要な密接関連事業のための建築物、第1種特定工作物の建築等を目的とする開発行為
第7号 政令で定める危険物の貯蔵、処理のための建築物、第1種特定工作物で市街化区域に立地することが不適当なものとして政令で定めるものの建築等を目的とする開発行為
第8号市街化区域に立地することが困難又は不適当なものとして政令で定める建築物、第1種特定工作物の建築等を目的とする開発行為
第8号の2 集落地区整備計画が定められている区域において、集落地区計画の内容に適合する建築物又は第1種特定工作物の建築等を目的とする開発行為
第8号の3 市街化区域に隣接又は近接し、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成している概ね50以上の建築物が連担している地域で行う開発行為で、予定建築物の用途が開発区域及びその周辺の環境の保全上支障があると認められるもの(都道府県の条例で定める)に該当しないこと
第8号の4 開発区域の周辺の市街化を促進する恐れがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として都道府県の条例で定められたもの
第9号 自己用の建築物、第1種特定工作物のための既存の権利の届出をなしたものが、当該目的に従って行う開発行為(5年以内の開発が必要)
第10号イ 原則として20ha以上の大規模計画開発(開発審査会の議)
第10号ロ 周辺の市街化を促進する恐れがなく、市街化区域で行うことが困難又は著しく不適当な開発(開発審査会の議)


●開発許可を受けていない土地における建築行為等の制限(都市計画法第43条第1項・第2項)

1.市街化調整区内のうち開発許可を受けた区域以内の区域において、建物の新築、改築、用途変更を行う場合は、都道府県知事の許可が必要。
但し、次のいずれかに該当する場合は許可不要。






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1
本文 農林漁業用建築物のうち政令(第20条)で定めるもの又は農林漁業を営む者の居住用建築物の建築等一定の公益上必要な建築物の建築等(政令第21条)
第1号 国、都道府県、指定都市等が行う建築等(地方開発事業団はない)
第2号 都市計画事業の施行として行う建築等
第3号 非常災害のため必要な応急措置として行う建築等
第4号 仮設建築物の新築
第5号 同法施工令第34条第1号 同法第29条第1項第4号〜第9号の開発行為の行われた土地における建築等
第2号 旧住宅地造成事業に関する法律第4条の認可を受けた住宅地造成事業の施行として行う開発行為が行われた土地における建築物

6














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第1号 既存建築物敷地内での車庫、物置等の付属建築物の建築
第2号 改築又は用途変更に係る床面積の合計が10u以内の改築又は用途変更
第3号 延べ面積50u以内の日用品店舗等のうち一定のものの新築で当該調整区域に居住している者が自ら当該業務を営むため行うもの
第4号 土木事業等に一時的に使用するための第1種特定工作物の新設
2.1の都市計画法第43条第1項のいずれの号にも該当せず許可を要する場合、次のいずれかに該当することが必要とされる。






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1


3
イ 同法第34条第1号〜第8号2に該当する建築物、第1種特定工作物の建築等
ロ 同法第34条第8号の3の条例で指定する土地の区域内で行う建築物等の建築等で、当該建築物等の用途が同号の条例で定める用途に該当しないもの
ハ 建築物等の周辺の市街化を促進する恐れがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる建築物の建築等として、都道府県の条例により区域、目的又は用途を限り定められたもの。
ニ 自己用の建築物、第1種特定工作物のための既存の権利の届出をなした者が、当該目的で行う建築等(5年以内の建築が必要)
ホ 周辺の市街化を促進する恐れがなく、市街化区域で行うことが困難又は著しく不適当な建築物、第1種特定工作物の建築等(開発審査会の議)
注)既存宅地における建築等

開発許可を受けた土地における建築行為 同法第42条第1項
工事完了公告後は、予定建築物等以外のものの新築、改築、用途変更は禁止
但し、都道府県知事が許可したとき、用途地域等が定められているときはこの限りでない。

(注)旧都市計画法による「既存宅地の確認」制度の経過措置
法附則第6条(既存宅地の経過措置)
 平成12年の都市計画法改正で、旧法第43条第1項第6号に規定されていたいわゆる「既存宅地の確認」制度が廃止されました。従って今後このような既存宅地において建築物の建築等を行なう場合には、法第43条第1項による許可が必要となります。但し、経過措置として、改正法の施行日(平成13年5月18日)前に既存宅地の確認を受けた土地については、施行日から起算して5年以内は、事故の居住用又は事故の業務用に供する建築物の建築に限り、従来どおり許可不要となります(法附則第6条)。

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資料3 都市計画制限

 都市計画制限とは、都市計画法によって決定される計画の実効性を担保するため、土地利用に関して制限を課すものです。以下の1〜6の制限があります。



1.促進区域内における建築等の制限(都市計画法第10条の2)
 促進区域には以下のものがあり、区域内における建築物の建築その他の行為に関する制限が、それぞれの法律で別に定められています。
区域 法律 制限の内容
@ 市街地再開発促進区域 都市再開発法第7条の4・第1項 区域内において建築物の建築をしようとするものは、原則として、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
A 土地区画整理促進区域 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第7条第1項 区域内において、土地の形質の変更又は建築物の新築、改築若しくは増築をしようとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければなりません。
B 住宅街区整備促進区域 大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第26条第1項
C 拠点業務市街地整備
土地区画整理促進区域
地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第21条第1項

2.市街地開発事業等予定区域内における建築等の規制
 市街地開発事業等予定区域(注1)は、都市計画で、近い将来必ず事業地内となることが予定されている区域です。従って、市街地開発事業等予定区域内では、事業の認可・承認の段階前であるにも関わらず、都市計画事業の事業地内での制限に準じた厳しい規制がなされています。
   (注1)市街地開発事業等予定区域とは、新住宅市街地開発事業の予定区域・工業団地造成事業の予定区域・新都市基盤整備事業の予定区域・20ha以上の一団地の住宅施設の予定区域・一団地の官公庁施設の予定区域・流通業務団地の予定区域をいいます(都市計画法第12条の2・第1項)
(1)建築等の許可(都市計画法第52条の2・第1項)
 市街地開発事業等予定区域内において、土地の形質の変更又は建築物の建築その他工作物の建築を行う場合には、原則として、都道府県知事の許可が必要です。
(2)市街地開発事業等予定区域内での施行予定者による土地建物等の先買いに伴う土地建物等の有償譲渡の届出(都市計画法第52条の3・第2項、第4項)
 都市計画決定後の公告の後に、土地建物等の先買いのために施行予定者は公告を行います。この公告の日の翌日から起算して10日を経過した後に市街地開発事業等予定区域内の土地建物等を有償譲渡しようとする者は、原則として、一定の事項を書面により施行予定者に届け出なければなりません。
 また、届出をした者は届出後30日間は、その土地建物等を譲渡してはなりません。

3.都市計画施設等の区域内における建築の規制
(1)建築の許可(都市計画法第53条第1項)
 都市計画施設(注2)の区域又は市街地開発事業(注3)の施行区域内で、建築物の建築をしようとする者は、原則として、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
   (注2)都市計画施設とは、都市計画決定された都市施設(都市計画法第11条第1項)をいい、具体的には次のようなものがあります。
        ・道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
        ・公園、緑地、広場、墓地その他の公共空地
        ・水道、電気・ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設
        ・河川、運河その他の水路
        ・学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
        ・病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設
        ・市場、と畜場又は火葬場
        ・一団地の住宅施設
        ・一団地の官公庁施設
        ・住宅街区整備事業
   (注3)市街化開発事業(都市計画法第12条第1項)とは、次の通りです。
        ・土地区画整理事業
        ・新住宅市街地開発事業
        ・工業団地造成事業
        ・市街地開発事業
        ・新都市基盤整備事業
        ・住宅街区整備事業

(2)市街地開発事業等の予定地内での都道府県知事による土地の先買いに伴う土地の有償譲渡についての制限(都市計画法第57条第2項、第4項)
 市街地再開発事業に関する都市計画決定後の公告の後に、土地の先買いについて都道府県知事又は届出の相手方として公告された者によって公告が行われます。この公告の日の翌日から起算して10日を経過した後に事業予定地内の土地を有償譲渡しようとする者は、原則として、一定事項を書面により都道府県知事に届け出なければなりません。
 また、届出後30日間は、その土地を譲渡してはなりません。

(3)施行予定が定められている都市計画施設の区域等についての特例(都市計画法第57条の2、第57条の3・第1項第57条の4
 施行予定者が定められている都市計画施設の区域及び市街地開発事業の施行区域については、前述(1)(2)の制限は適用されません。
当該区域については、市街地開発事業等予定区域の区域内における、建築等の許可(都市計画法第52条の2・第1項)、施行予定者による余地建物等の先買いに伴う土地建物等の有償譲渡についての届出(都市計画法第52条の3・第2項、第4項)〔前述2〕が準用されます。

4.都市計画事業制限
 都市計画事業とは、市町村が都道府県知事の許可を受けて施行、都道府県又は国の機関が国土交通大臣の認可又は承認を受けて施行、又はこれら以外の者が都道府県知事の認可を受けて施行する都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業をいいます(都市計画法第59条第1項〜第4項)。

(1)都市計画事業の事業地内での建築等の許可(都市計画法第65条第1項)
 都市計画事業の認可等の告示後に、当該事業地内で、事業の施行の障害となる恐れのある一定の行為をしようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません。
 許可を受けなければならない一定の行為は次の通りです。
   @ 都市計画事業の施行の障害となる恐れがある土地の形質の変更、建築物の建築、工作物の建築など
   A 移動の容易でない物件(その重量が5tを越える物件)の設置又は堆積

(2)都市計画事業の事業地内での施工者による土地建物等の先買いに伴う土地建物等の有償譲渡についての届出(都市計画法第67条第1項、第3項)
 都市計画事業の認可等の告示の後に、土地建物等の先買いのために施工者が公告をします。この公告の日の翌日から起算して10日を経過した後に都市計画事業の事業地内の土地建物等を有償譲渡しようとする者は、原則として、一定事項を書面により施工者に届け出なければなりません。
 また、届出をしたものは、届出後30日間はその土地建物等を譲渡してはなりません。

5.風致地区内における建築等の規制(都市計画法第58条第1項)
 風致地区は、都市の風致を維持するため、市街地にある自然景勝地等において指定されます。
 風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、地方公共団体の条例で規制されます。

6.地区計画等の区域内における建築等の規制
(1)地区計画と再開発等促進区
 地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画です。用途地域及び用途地域以外の一定の条件を満たす区域内において定められます。(都市計画法第12条の5・第1項)
 地区計画の都市計画には、種類・名称・位置・区域等のほか、目標・方針・地区整備計画(地区施設・建築物等の整備及び土地利用に関する計画)が定められます。(都市計画法第12条の5・第2項)
 また、地区計画の区域の全部、又は一部に、再開発等促進区を定めることができます。再開発等促進区は、一定の条件に該当する土地の区域について、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進とを図るため、一体的かつ総合的な市街地の再開発又は開発整備を実施すべき区域として都市計画に定めるものです。(都市計画法第12条の5・第3項)
 この再開発等促進区を定める地区計画においては、
   @ 土地利用に関する基本方針(第12条の5・第4項第1号)
   A 道路、公園等の施設の配置及び規模(第12条の5・第4項第2号)
 が定められます。〔H14.7改正〕

(2)建築等の届出等(都市計画法第58条の2・第1項、第2項)
 地区整備計画が定められている地区計画等の区域内等(下表参照)において、土地の区画形質の変更、建築物の建築等を行おうとする場合には、原則として、その行為に着手する日の30日前までにその行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日等一定事項を市町村長に届け出なければなりません。
 その届出にかかる事項を変更しようとするときも同様です。
 届出の対象となる区域は下表の通りです。
届出の対象となる区域 法律
地区計画の区域(都市計画法第12条の5・第4項第2号に規定する施設の配置及び規模が定められている再開発等促進区、及び、地区整備計画が定められている区域に限る) 都市計画法第58条の2・第1項、第2項
沿道地区計画の区域(沿道法第9条第4項第2号に規定する施設の配置及び規模が定められている沿道再開発等促進区又は沿道地区整備計画が定められている区域に限る) 幹線道路の沿道の整備に関する法律第10条第1項、第2項
防災街区整備地区計画の区域(地区防災施設の区域又は防災街区整備地区整備計画が定められている区域に限る) 密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第33条第1項、第2項
集落地区計画の区域(集落地区整備計画が定められている区域に限る) 集落地域整備法第6条第1項、第2項

(3)市町村の条例に基づく制限又は緩和
 地区計画等の区域(地区整備計画等が定められている区域に限る)内において、建築物の敷地、構造、建築設備又は用途に関する事項について、市町村の条例により制限されることがあります。(建築基準法第68条の2・第1項)
 また、用途地域における用途の制限を補完し、地区計画等(集落地区計画を除く)の区域の特性にふさわしい土地利用の増進等の目的を達成するため必要と認める場合においては、市町村は、国土交通大臣の承認を得て第48条第1項〜第12項までの規定(用途地域における用途制限)による規制を緩和することができます。(建築基準法第68条の2・第5項)〔H14.7改正〕

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資料4 用途地域における建築物用途の制限

 用途地域は、都市計画区域又は準都市計画区域内において、都市計画で定められます。(都市計画法第8条第1項第1号、第2項)
 用途地域内では、一定の建築物および工作物を建築することが制限されています(建築基準法第48条第1項〜第12項、第88条)
用途地域 性格
(建築基準法第9条第1項〜第12項)
用途制限
第1種低層住居
専用地域
低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域 住宅、共同住宅、下宿、幼稚園、小・中・高等学校、公衆浴場、診療所、一定の兼用住宅、図書館、寺社、老人ホーム、巡査派出所、その他公益上必要な建築物等に限り建築可能
第2種低層住居
専用地域
主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域 第1種低層住居専用地域適格建築物の他、150u以内の店舗等に限り建築可能
第1種中高層住居
専用地域
中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域 第2種低層住居専用地域適格建築物の他、大学、病院、500u以内の店舗等、300u以内かつ2階以下の車庫等に限り、建築可能
第2種中高層住居
専用地域
主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域 工場、ボーリング場、パチンコ屋、ホテル、自動車教習所、カラオケボックス等、劇場・映画館等、1,500u超又は3階以上の事務所・店舗等、営業用倉庫、キャバレー、料理店、個室付浴場、一定の危険物貯蔵所、一定規模以上の車庫等を禁止
第1種住居
専用地域
住居の環境を保護するため定める地域 一定の工場、パチンコ屋、カラオケボックス等、劇場・映画館等、3,000u超の事務所・店舗等、営業用倉庫、キャバレー、料理店、個室付浴場、一定の危険物貯蔵所、一定規模以上の車庫等を禁止
第2種住居
専用地域
主として住居の環境を保護するため定める地域 一定の工場、劇場・映画館等、営業用倉庫、キャバレー、料理店、個室付浴場、一定の危険物貯蔵所、一定規模以上の車庫等を禁止
準住居地域 道路の沿線として地域の特性にふさわしい業務の利便を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域 一定の工場、200u以上の劇場・映画館等、キャバレー、料理店、個室付浴場、一定の危険物貯蔵所等を禁止
近隣商業地域 近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域 一定の工場、200u以上の劇場・映画館等、キャバレー、料理店、個室付浴場、一定の危険物貯蔵所等を禁止
商業地域 主として商業その他業務の利便を増進するため定める地域 150u超の工場、危険性の大きい又は公害発生の恐れが大きい工場、一定の危険物貯蔵所等を禁止
準工業地域 主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便を増進するため定める地域 個室付浴場、危険性の大きい又は公害発生の恐れが大きい工場、一定の危険物貯蔵所等を禁止
工業地域 主として工業の利便を増進するため定める地域 幼稚園、小・中・高等学校、大学、病院、ホテル、劇場・映画館等、キャバレー、料理店、個室付浴場等を禁止
工業専用地域 工業の利便を増進するため定める地域 住宅、幼稚園、小・中・高等学校、ボーリング場、パチンコ屋、図書館、老人ホーム、大学、病院、ホテル、物品販売店舗、飲食店、劇場・映画館等、キャバレー、料理店、個室付浴場等を禁止
指定なし 用途規制はないが、斜線制限の他、建ぺい率・容積率の制限を受ける。

(注1) 第1種低層住居専用地域で建築できる兼用住宅の例→事務所・日用品販売店舗・食堂・理髪店・美容院・学習塾・洋服店・畳屋・パン屋・米屋等で、これらの用途の床面積が50u以下、かつ延面積のうち住居部分が2分の1以上であるもの(原動機を使用する場合は0.75kW以下)。
(注2) 用途地域と用途についての詳細は建築基準法施工例第130条以下に定められています。

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資料5 特別用途地区・特定用途制限地域

1.特別用途地区の用途制限
 特別用途地区は、用途地域内の一定の地区において、地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため、用途地域の指定を補完して定める地区です(都市計画法第9条第13項)。
 特別用途地区内では、建築物の制限又は禁止に関して必要な規定が、地方公共団体の条例で定められます。(建築基準法第49条第1項)
 また、特別用途地区内では、地方公共団体は、國土交通大臣の承認を得て、条例で用途地域内での建築の制限を緩和することができます(建築基準法第49条第2項)

特別用途地区の例
種類 目的・特徴
1.特別工業地区 工業・工業専用・準工業地域内の業種を制限する「公害防止型」と、準工業・商業・住居系の用途地域内の制限を緩和する「地場産業保護型」の2タイプがあります。東京都の第1種及び第2種特別工業地区は前者の、また、埼玉県川口市の特別工業地区は後者の例です。
2.文教地区 教育、研究、文化活動のための環境の維持向上を図るため、学校や研究機関、文化施設などが集中する地域に指定され、風俗営業や映画館・ホテル等が禁止されます。
3.小売店舗地区 近隣住民に日用品を供給する店舗が集まっている地区で、特に専門店舗の保護又は育成を図るため、風俗営業やホテル・デパート等が規制されます。
4.事務所地区 商業地のうち官公庁、企業の事務所等の集中立地を保護育成する地区です。
5.厚生地区 病院・診療所等の医療機関、保育所・母子寮等の社会福祉施設等の環境を保護するための地区です。
6.娯楽・レクリ
エーション地区
商業地域の内、劇場、映画館、バー・キャバレー等が集中する盛り場に指定する「歓楽街型」と、主に住宅地周辺のボーリング場・スケート場等の遊技場を対象とする「レクリエーション施設型」などがあり、それぞれの目的に沿って「用途地域」の規制が緩和又は強化されます。
7.観光地区 温泉地・景勝地などの観光地の観光施設の維持・整備を図るための地区です。
8.特別業務地区 商業地の内、特に卸売店舗を中心とした卸売業務機能の高い地区に指定される「卸売業務型」、主に準工業地域のトラックターミナル・倉庫などの流通関連施設向けの「ターミナル・倉庫型」及び幹線道路沿いの自動車修理工場・ガソリンスタンド等のための「沿道サービス型」があります。
9.中高層住居
専用地区
大都市の都心部の夜間人口の過疎化対策の一環として、一定地域のビルの中高層階の用途を住宅に限定し、住民の増加・定住化を図るための地区です。
10.商業専用地区 横浜の「みなとみらい21」や千葉の「幕張メッセ」などの、店舗・事務所等が集中する市街地でその他の用途を規制し、大規模ショッピングセンターや業務ビルの集約的な立地を保護・育成するための地区です。
11.研究開発地区 製品開発の研究のための試作品の製造を主たる目的とする工場、研究所その他の研究開発施設の集積を図り、これらの施設に係る環境の保護及び利便の増進を図る。

以上のほかにも、地方公共団体が独自に定めている地区があります。

2.特定用途制限地域
 特定用途制限地域は、用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)内において、良好な環境の形成又は保持のため、地域の特性に応じて合理的な土地利用が行われるよう、特定の建築物等の用途の制限を定める地域です(都市計画法第9条第14項)。
 特定用途制限地域内における建築物の用途の制限は、都市計画に即して地方公共団体の条例で定められます。(建築基準法第49条の2)

3.用途地域等における建築物の敷地、構造又は建築設備に対する制限
 用途地域、特別用途地区又は特定用途制限地域内においては、地方公共団体の条例により、建築物の敷地、構造又は建築設備に関する必要無制限が定められます(建築基準法第50条)

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資料6 その他の地域地区による制限等

地域地区
(都市計画法第8条)
目的 類型
@ 高層住居誘導地区 土地の有効高度利用を通じた良質な共同住宅の供給促進、職住近接の都市構造の実現 建築物の密度を規制 1)市街地環境形成型
A 高度地区 建築物の高さの最高限度又は最低限度の規制を通じ市街地環境の保持又は土地利用増進
B 高度利用地区 建築物の高さ、容積率、建ぺい率、建築面積、壁面の位置の規制を通じ市街地の合理的で健全な高度利用
C 特定街区 建築物の容積率、高さの最高限度、壁面の位置の規制を通じ街区の整備と空地確保
D 都市再生特別地区 特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物を誘導
E 防火地域、準防火地域 建築物の構造の規制を通じ市街地の火災の危険の防除 建築物の構造を規制
F 特定防災街区整備地区 木造建築物が密集している区域の防災機能の確保と土地の合理的で健全な利用 建築物の種類・形態等を規制
G 美観地区 建築物の意匠、色彩、外観等の規制を通じ市街地の美観の維持 建築物の形態・意匠を規制
H 風致地区 都市の自然的景観の維持 緑地の保全 2)保全型
I 緑地保全地区 良好な自然的環境を形成する地区を保全
J 生産緑地地区 市街化区域内農地等の適正な保全
K 歴史的風土特別保存地区 古都の歴史的風土を保存 歴史の保全
L 第1種・第2種歴史的風土保存地区 明日香村に於ける歴史的風土の保存
M 伝統的建造物郡保存地区 伝統的街並みを保全
N 駐車場整備地区 交通の輻輳する市街地での都市機能の維持 都市に必要な地区又は施設の機能の増進 3)都市機能増進型
O 臨港地区 港湾を管理運営(港湾の機能に支障となる土地利用を規制)
P 流通業務地区 流通業務の機能を増進(流通業務の運営に支障となる土地利用を規制)
Q 航空機騒音障害防止地区・同防止特別地区 特定空港の騒音障害の発生を防止し、結果的に円滑な空港機能を確保

@ 高層住居誘導地区
 郊外への拡散した住宅地を都心部に呼び戻し、利便性の高い高層住宅の建築を誘導するため、高層住宅の建築を誘導すべき地区を都市計画において位置付けるものです。
 高層住居誘導地区は、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域又は準工業地域のうち、指定容積率が400%又は500%である地域に指定されます。
 高層住居誘導地区内では、その高層住居誘導地区に関する都市計画において建ぺい率の最高限度又は建築物の敷地面積の最低限度が定められた場合には、建築物はこの内容に適合するものでなければなりません。(建築基準法第57条の2)
 また、以下のような制限の緩和があります。
a)容積率の緩和
―住宅の用途に供する部分の床面積が3分の2以上である建築物について、その住宅割合に応じた容積率の引き上げ(指定容積率の1.5倍以下。)
b)全面道路幅員より容積率の緩和
―商業系用途地域と同じ制限を適用(幅員×6/10)
c)斜線制限の緩和
―商業系用途地域と同じ制限を適用(道路・隣地斜線勾配)
d)日影規制の適用除外
―ただし、高層住居誘導地区内であっても、日影規制の対象区域内(高層住居誘導地区を除く。)に日影を生じさせる場合には日影規制が適用されます。

A 高度地区
 高度地区は、建物の高さの最高限度(最高限高度地区)又は最低限度(最低限高度地区)を定め、用途地域の高さの制限を強化するもので、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図ることを目的としています。
 高度地区内においては、建築物の高さは、高度地区に関する都市計画において定められた内容に適用するものでなければなりません(建築基準法第58条)
a)最高限高度地区
―高さの最高限度を定めてあまり高い建物が建たないようにして市街地の環境や都市景観の保全を図るものです。
※この目的を有する高度地区は、準都市計画区域にも定めることができます。
b)最低限高度地区
―高さの最低限度を定めてそれ以上の高さの建物を確保することにより、市街地の土地利用の増進や災害時の火災に対する防御壁としての避難地避難路の確保を図るものです。また、単なる高さの絶対値の制限のほか斜線制限等の形態もあります。

B 高度利用地区
 市街地の高度利用を図る地域地区ですが、単に高度利用を図るだけでなく、空地の確保と規模の大きな開発を目指すものです。
 建築面積の狭小ないわゆる鉛筆ビルを防止するとともに高度利用を図るべき容積率を使いきっていないところや土地の細分化が進んでおりかつ公共施設が不十分なところ、第1種及び第2種中高層住居専用地域内で未利用地の多いところ等に指定するものであるとされています(通達)。
a)容積率、建ぺい率、建築面積及び壁面の位置の規制(建築基準法第59条第1項、第2項)
 高度利用地区では、高度利用地区に関する都市計画において、
・容積率の最高限度・最低限度
   ・建ぺい率の最高限度
   ・建築面積の最低限度
   ・壁面の位置の制限
が定められ、建築物はこれに適合するものでなければなりません。
b)適用除外
 高度利用地区に関する都市計画において定められた容積率、建ぺい率及び建築面積の制限は、次に揚げる建築物について適用がありません。
   ア.主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であって、2階以下で地階がなく、容易に移転又は除却ができる建築物
   イ.公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物
   ウ.学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要無建築物(特定行政庁が許可したものに限る。)

C 特定街区
 特定街区とは、個々の敷地単位ではなくて街区(ブロック)単位で良好な市街地を形成するために、都市計画で指定される地区です。
 この地区内では、都市計画で、建築物の容積率、高さの最高限度、壁面の位置の制限の三つが定められ、用途地域における一般的な容積率、建ぺい率等の規制が適用されません。(建築基準法第60条第1項、第2項)
 この制度は、敷地内に有効な空地を確保させる代わりに、容積率、高さ制限等の一般的な形態規制を一般の地区より緩和するものです。

D 都市再生特別地区
 この地区は、「都市再生特別措置法」(平成14年6月施工)に基づく都市再生緊急整備地域のうち、都市再生に貢献し土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域について、都市計画に定められる地区です。
 都市再生特別地区内では、容積率、建ぺい率などいろいろな建築制限の特例があります。

≪都市再生特別地区における建築制限の特例の内容≫
(1)建築物の容積率及び建ぺい率、建築物の建築面積並びに高さの制限(建築基準法第60条の2・第1項)
 都市再生特別地区内の建築物については、その容積率及び建ぺい率、建築物の建築面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)並びに建築物の高さは、当該地区の都市計画において定められた内容に適合しなければなりません。

(2)建築物の壁面の位置の制限(同条第2項)
 都市再生特別地区における建築物の壁又は柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、当該地区の都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築することはできません。
※上記(1)、(2)の制限が適用除外とされる建築物
   T 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であって、階数が2以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に転移し、又は除却することができるもの
   U 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
   V 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの

(3)誘導すべき用途に供する建築物に関する用途規制の適用除外(同条第3項)
 都市再生特別地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に関する建築物については、建築基準法第48条(用途地域)及び第49条(特別用途地区)の規定は適用されません。

(4)日影規制の一部適用除外(同条第6項)
 都市再生特別地区内の建築物については、原則として建築基準法第56条の2第1項(日影による建築物の高さの制限)に規定する日影規制対象区域外にある建築物とみなされます。
 但し、都市再生特別地区内の高さ10m超の建築物で、冬至日において同地区外にある日影規制対象地区内の土地に日影を生じさせる場合には、第56条の2第1項の規定が適用され、日影規制が適用されます。

<その他の留意点>
(1)都市再生特別地区の建築物については、当該地区の都市計画において定められた容積率の最高限度を建築基準法第52条(容積率)第1項各号に掲げる数値とみなして、同条の規定が適用されます(建築基準法第60条の2第4項)。
(2)都市再生特別地区内の建築物については、建築基準法第56条(建築物の各部分の高さ≪道路斜線制限・隣地斜線制限・北側斜線制限≫)及び第58条(高度地区)の規定は適用されません(建築基準法第60条の2第5項)。

E 防火地域、準防火地域
a)防火地域
 防火地域とは、市街地における火災の危険を防除するため定める地域(都市計画法第8条第1項第5号、第9条第19項)をいいます。防火地域内では、次のような制限と適用除外があります(建築基準法第61条)
 <制限の内容>
   T 3階以上又は延べ面積が100uを超える建築物は、耐火建築物にしなければなりません。
   U その他の建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物にしなければなりません。
 <適用除外とされる建築物>
   T 延べ面積が50u以下の平屋建ての付属建築物で、外壁と軒裏が防火構造のもの
   U 卸売市場の上家又は機械製作工場で、主要構造部が不燃材料で造られたもの、その他これらに類する構造で、これらと同等以上に火災の発生の恐れの少ない用途に供するもの
   V 高さ2mを超える門又は塀で不燃材料で造り、又は覆われたもの
   W 高さ2m以下の門又は塀
b)準防火地域
 準防火地域とは、市街地における火災の危険を防除するため定める地域(都市計画法第8条第1項第5号、第9条第19項)をいいます。
 準防火地域内では、次のような制限と適用除外があります(建築基準法第62条)
 <制限の内容>
   T 4階以上(地階を除く)又は延べ面積が1,500uを超える建築物は、耐火建築物にしなければなりません。
   U 延べ面積が500uを超え1,500u以下の建築物は、耐火建築物又は準耐火建築物にしなければなりません。
   V 3階建て(地階を除く)の建築物は、耐火建築物、準耐火建築物又は外壁の開口部の構造及び面積、主要構造部の防火の措置その他の事項については、防火上必要な政令で定める技術的基準に適合する建築物としなければなりません。
   W 木造建築物の外壁及び軒裏で延焼の恐れのある部分は、防火構造としなければなりません。
   X Wの部分に附属する高さ2mを超える門又は塀で、これらが建築物の1階であるとした場合に延焼の恐れのある部分は、不燃材料で造り、又は覆わなければなりません。
 <適用除外>
○卸売市場の上家又は機械製作工場で、主要構造部が不燃材料で造られたものその他これらに類する構造で、これらと同等以上に火災の発生の恐れの少ない用途に供するものについては、TU及びVの制限は適用が除外されます。

F 特定防災街区整備地区〔H15.6改正〕
 「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(密集市街地整備法)」に基づく地区です。
 〔19〕密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

G 美観地区
 市街地の美観を維持するため定める地区であり、建築物の高さ、形態、色彩等について建築基準法第68条(美観地区内における建築物の敷地、構造又は建築設備に関する制限)に基づく地方公共団体の条例で、美観の保持のために必要な制限が定められることになっています(建築基準法第68条)
 ※準都市計画区域においても定めることができます。

H 風致地区
 風致地区は、市街地に残されている自然景勝地、市街地周辺の丘陵地、歴史的な意義のある地区等、都市の風致を維持するために指定される地区です。
 風致地区内では、地方公共団体の条例により、建築物の建築・宅地の造成・木材の伐採等一定の行為が規制されています。

I 緑地保全地区
 「都市緑地保全法」に基づく地区です。
 〔4〕都市緑地保全法(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

J 生産緑地地区
 「生産緑地法」に基づく地区です。
 〔5〕生産緑地法(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

K 歴史的風土特別保存地区・L 第1種・第2種歴史的風土保存地区
 「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(古都保存法)」に基づき都市計画に儲けられた地区です。
 〔3〕古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

M 伝統的構造物郡保存地区
 「文化財保護法」に基づく地区です。都市計画区域及び準都市計画区域内において指定される場合のみ都市計画の地域地区となり、それ以外の区域では条例で定められます。
 〔36〕文化財保護法(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

N 駐車場整備地区
 交通が著しく輻輳する地区で、必要な駐車施設を確保することにより円滑な道路交通の機能の確保を図り、都市機能を維持、増進することを目的としています。
内容は以下の通りです。
a)商業地域、近隣商業地域、住居地域等で指定
 駐車場整備地区は、商業地域、近隣商業地域、並びに一定の特別用途地区の定められた第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域及び一定の準工業地域内又はその周辺で自動車交通が著しく輻輳する地区において、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保する必要があると認められる地区について都市計画で指定します(駐車場法第3条)。
b)駐車場の附置義務
 この地区においては、延べ面積が2,000u以上で条例で定める規模以上の建築物や劇場、百貨店、事務所等の特定用途で条例で定める規模以上のものは、床面積に応じて一定の駐車場を確保することが条例で義務付けられることとなっています(同法第20条)。
c)市町村の努力義務
 駐車場整備地区が定められたときは、市町村に対しても、駐車場整備計画策定義務、駐車場の整備のための指導を講ずる努力義務を課す等、その責任をも明確にしています(同法第4条、第4条の2)。

O 臨港地区
 「港湾法」に基づき都市計画に設けられた地区です。都市計画区域及び準都市計画区域内において指定される場合のみ都市計画の地域地区となり、それ以外の地域では条例で定められます。
 〔20〕港湾法(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

P 流通業務地区
 「流通業務市街地の整備に関する法律(流通業務市街地整備法)」に基づく地区です。
 〔15〕流通業務市街地の整備に関する法律(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

Q 航空機騒音障害防止地区・同防止特別地区
 政令で指定する特定空港(現在は新東京国際空港)の周辺において航空機騒音対策基本方針に基づき定められる地区で、航空機の著しい騒音の及ぶこととなる地域等に指定されることとなっています(特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第4条)。
 〔6〕特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

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資料7 建ぺい率の制限

1.建ぺい率

 「建ぺい率」とは、建築面積の敷地面積に対する割合のことをいいます。

建築面積とは建築物の外壁・柱の中心線で囲まれた部分の面積です。但し、軒、ひさし、バルコニー等でこの中心線より1m以上突き出た所があるときは、先端より1m後退した部分までは建築面積に算入されます(建築基準法施行令第2条)。

2.用途地域と建ぺい率

(1)建ぺい率の上限(建築基準法第53条)〔H14.7改正〕
 建ぺい率の上限は、次の表の通りで、複数の数値については、地域・区域ごとに特定の値が指定されます。また、建ぺい率の限度が80とされている地域外でかつ防火地域内にある耐火建築物、又は街区の角地にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物については、法定又は指定建ぺい率に10%を加えることができます。更に、表の(ニ)に該当すると法定又は指定建ぺい率に20%を加えることができます。(法第53条第3項)
〔%〕
地域・区域 (イ)原則 (ロ)防火地域内の耐火建築物 (ハ)特定行政庁が指定した角地 (ニ)左の(ロ)(ハ)のいずれにも該当する建築物
第1種
低層住居専用地域
第2種
低層住居専用地域
第1種中高層住居専用地域
第2種
中高層住居専用地域
工業専用地域
30・40・50・60のうち都市計画で定める割合 左の(イ)の欄の率に10を加えたもの 左の(イ)の欄の率に10を加えたもの 左の(イ)の欄の率に20を加えたもの
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
準工業地域
50・60・80のうち都市計画で定める割合 左の(イ)の欄の率に10を加えたもの
但し80の地域では制限なし
左の(イ)の欄の率に10を加えたもの 左の(イ)の欄の率に20を加えたもの
但し80の地域では制限なし
近隣商業地域 60・80のうち都市計画で定める割合
商業地域 80 制限なし 左の(イ)の欄の率に10を加えたもの 制限なし
工業地域 50・60のうち都市計画で定める割合 左の(イ)の欄の率に10を加えたもの 左の(イ)の欄の率に10を加えたもの 左の(イ)の欄の率に20を加えたもの
用途地域の
指定のない区域
30・40・50・60・70のうち特定行政庁が定める割合

(2)2以上の建ぺい率制限にわたる敷地の建ぺい率(同法第53条第2項)
 建築物の敷地が、2以上の建ぺい率の制限の地域又は区域の内外にわたる場合、それぞれの地域又は区域に属する敷地の割合をそれぞれの地域又は区域の建ぺい率に乗じ、それぞれの数値を合計したものをその敷地の建ぺい率とします。

(例)



この場合の建ぺい率は、



となります。

(3)一定の建築物の建ぺい率制限の緩和(同法第53条第4項)
 隣地側に壁面線の指定等がある建築物について、特定行政庁が安全、防火、衛生上支障がないと認めて許可した場合には、その許可の範囲内で、建築基準法第53条第1項から第3項までに定める建ぺい率が緩和されます。
(4)建ぺい率の制限のないもの(同法第53条第5項)〔H14.7改正〕
   @ 第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域、商業地域で、建ぺい率の限度が80%とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物
   A 巡査派出所・公衆便所・公用歩廊その他これらに類するもの
   B 公園・広場・道路・川その他これらに類するもののうちにある建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障のないと認めて許可したもの
(5)敷地が防火地域内外にわたる場合(同法第53条第6項)
 その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地はすべて防火地域内にあるものとみなされます。

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資料8 容積率の制限

1.容積率

 「容積率」とは、建物の各階の床面積の合計(延べ面積)の敷地面積に対する割合のことです。



 延べ面積とは、建築物の各階の床面積の合計です。各階の床面積は各階の外壁・柱等の区画の中心線で囲まれた部分の面積です(建築基準法施行令第2条)。

2.容積率の制限
 建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合)は、
(1)都市計画で定められる容積率の最高限度(指定容積率)以下でなければなりません。
また、敷地の全面道路の幅員が12m未満の場合は、(1)の指定容積率と、
(2)全面道路の幅員によって定まる容積率の最高限度(道路幅員制限)のうち、いずれか小さい方の値によって制限されます。
 なお、容積率に関しては特例が多くあり、後出3で説明します。

(1)都市計画で定められる容積率の最高限度(指定容積率)(建築基準法第52条第1項)〔H14.7改正〕
 用途地域等の種別に応じて次の表のなかから定められます。
〔%〕
地域・区域 容積率
1 第1種低層住居専用地域、
第2種低層住居専用地域
50・60・80・100・150・200のうち都市計画で定める割合
2 第1種中高層住居専用地域、
第2種中高層住居専用地域、
第1種住居地域、第2種住居地域
準住居地域、近隣商業地域、準工業地域
100・150・200・300・400・500のうち都市計画で定める割合
3 商業地域 200・300・400・500・600・700・800・900・1000・1100・1200・1300のうち都市計画で定める割合
4 工業地域、
工業専用地域
100・150・200・300・400のうち都市計画で定める割合
5 高層住居誘導地区(住居部分の床面積が延床面積の3分の2以上のもの) 都市計画で定められた数値からその1.5倍以下で当該高層住居誘導地区に関する都市計画で定める割合
6 用途地域の指定のない区域 50・80・100・200・300・400のうちから特定行政庁が指定する割合

(2)全面道路幅員によって定まる容積率の最高限度(道路幅員制限)〔H14.7改正〕
@ 敷地の全面道路の幅員(2以上ある場合はその幅員の最大のもの)が12m未満の場合は、道路幅員制限があります。
 この場合、建築物の容積率は、全面道路の幅員のmの数値に、下表の数値を乗じたもの以下でなければなりません。(建築基準法第52条第2項)〔H14.7改正〕
住居系:道路幅員による容積率(%)の上限=全面道路幅員(m)×40(60)
その他:道路幅員による容積率(%)の上限=前面道路幅員(m)×60(40又は80)

 そして、この道路幅員による容積率の数値と、(1)の指定容積率のうちいずれか小さいほうの値の制限が適用されます。
 例.(この表の計算では、%でしています。)
用途地域 (A)都市計画の容積率
(指定容積率)
道路幅員 (B)道路幅員による制限 容積率の限度
1種低専 200% 4m 4(m)×40=160% (A) > (B) ⇒ (B) (160%)

 但し以下Aの場合には、容積率の制限が緩和されます。
A 特定道路を接続することによる緩和(建築基準法第52条第8項)
 全面道路の幅員が6m以上12m未満で、敷地から70m以内の距離で幅員15m以上の道路(特定道路といいます。)に接続する場合は、全面道路の幅員に下図(x)の数値を加えたものに(40)、(60)又は(80)を掛けた数値が、道路幅員による容積率の上限になります。

加える数値(x)=(12−y)× 70−L
70

*敷地Aにおける容積率の上限は:
 (1)都市計画の指定容積率で、かつ
 (2)住居系地域⇒(y+x)×40(60)以下
   その他の地域⇒(y+x)×60(40又は80)以下
 となります。

<全面道路幅員によって定まる容積率の最高限度>
道路幅員制限(全面道路幅員が12m未満の場合)
*特定道路による緩和は、全面道路の幅員が6m以上12m未満で、敷地から70m以内の距離で幅員15m以上の特定道路に接続する場合に算入
全面道路幅員
(m)
特定道路による緩和(m)
特定道路までの延長距離に
応じて定まる数値(x)*
)×(40、60又は80)
*
 x

=(12− 全面道路幅員
(m)
) × 70−特定道路までの延長距離(m)
70

3.容積率の制限の特例
@ 住宅の地下室の床面積は、当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として、容積率算定上延べ面積に算入しないことができます。なお、不算入の対象となる地下室は建築基準法施行令第1条第2号に規定する地階のうち、その天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものとされています(建築基準法第52条第3項)
[敷地面積120u建築面積60u容積率100%とした場合]


A 共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、容積率には算入しないことになっていますがその場合、当該建築物の用途変更等には制限がありますので、注意を要します(法第52条第5項)
B 住宅に関する容積率の緩和(法第52条第7項)〔H14.7改正〕
 第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域、商業地域内にある「住宅」については、空地及び敷地規模等が一定規模以上であるものに限り、用途地域に関する都市計画で定める容積率の1.5倍を限度としてその容積率を緩和することができます。
C 計画道路に接する等の敷地の場合で、特例行政庁が許可した建築物については、その計画道路を全面道路とみなして、容積率の制限が適用されます(法第52条第9項)
D 全面道路の境界線又はその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合において、特定行政庁が定めた基準に適合すると認めて許可した建築物については、境界線は壁面線にあるものとみなして、容積率の制限が適用されます(法第52条第10項)
E 全面道路幅員による容積率制限において全面道路の幅員に乗じる値が40とされている建築物で、全面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合又は地区計画において壁面の位置の制限が定められ、かつ、条例の制限として定められている場合においては、その壁面線又は壁面の位置として定められた限度の線を全面道路の境界線とみなして容積率制限を適用することができます。但し、容積率の上限は全面道路の幅員に60を乗じたもの以下でなければなりません(法第52条第11項)
 また、全面道路と壁面線等の間の部分の面積は、容積率算定にあたり敷地面積に算入しません(法第52条第12項)
F 機械室の占める割合が大きい建築物や敷地内に広い空地等がある建築物で、特定行政庁が許可した場合は、許可の範囲内で、容積率の制限を越えて建築することができます(法第52条13項)
G 自動車車庫、自転車置場等は、建築物の各階の床面積の合計の5分の1までは容積率計算上の延べ面積に算入しないことになっています(施行令第2条第1項第4号、第3項)。
H 特例容積率適用区域内の容積率の特例
 商業地域に関する都市計画では、都市機能が集積する既成市街地のうち、適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、とくに当該区域内の土地の高度利用を図るため、通常の指定容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積率の活用を促進する必要がある場合に限り、その土地の区域を特例容積率適用区域として定めることができるものとされています(都市計画法第8条第3項第2号ニ)。
 建築基準法では、特例容積率適用区域が定められたときは、この特例容積率適用区域内の2以上の敷地に係る土地について所有権若しくは借地権を有する者又はこれらの者の同意を得た者は、1人又は数人共同して、特定行政庁に対し、この2以上の敷地のそれぞれに適用される容積率の限度の指定を申請することができます。
 この2以上の敷地を「特例敷地」といいますが、特定行政庁は上記の申請があった場合には、一定の要件に該当すると認めるときには、用途地域で指定された総容積率の範囲内で、この特例敷地ごとに適用される容積率の限度を再指定することとなります(建築基準法第52条の2・第1項、第3項)。
I 総合設計にかかる建築物の容積率制限、高度制限等の緩和(法第59条の2・第1項)
 敷地内に一定の広い空地のある建築物は、特定行政庁が許可した範囲で、建築物の容積率制限、第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域の高度制限及び斜線制限が緩和されることがあります。
 総合設計として建築物の容積率制限、高度制限等が緩和される要件は、次の通りです。
   a その敷地内に一定規模以上の空地を有する場合
   b その敷地面積が一定規模以上である場合
   c 特定行政庁が、交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、建ぺい率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可する場合
J 一定の複数建築物に対する制限の特例
 建築基準法は、一つの建築物に対して一つの敷地を設定することを原則としていますが、この「一建築物一敷地の原則」に対する特例として、以下の制度があります。
 a 総合的設計
 複数等の建築物を総合的に設計する場合に、特定行政庁が各建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないものと認めるものについては、容積率、建ぺい率等の規定(特例対象規定)の適用については同一敷地にあるものとみなされます(法第86条第1項)
 また、一定規模以上の空地を有し、面積が一定規模以上である一団地で、各建築物の位置及び構造について特定行政庁の許可を得た場合においては、これらの建築物を同一敷地内にあるものとみなすとともに、その許可の範囲内において、容積率制限、第1種・第2種低層住居専用地域の高度制限及び斜線制限が緩和されることがあります(法第86条第3項)〔H14.7改正〕。
 b 連担建築物設計制度
 一団の土地の区域内において既存の建築物の位置や構造を前提に総合的な見地から行われる建築物の設計であって、当該設計に基づき建築物が建築される場合にあっては、当該一団地内の複数の建築物を同一敷地内にあるものとみなして、容積率、建ぺい率等の規定(特例対象規定)が適用されます(法第86条第2項)
 この制度は、特定行政庁が各建築物の位置及び構造が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める区域内において適用されます。
 また、面積が一定規模以上である一団の土地で、一定規模以上の空地を有する場合において、建築物の位置及び構造について特定行政庁の許可を得た場合は、これら建築物を同一敷地内にあるものとみなすとともに、その許可の範囲内において、容積率制限、第1種・第2種低層住居専用地域の高度制限及び斜線制限が緩和されることがあります(法第86条第4項)〔H14.7改正〕。
 なお、総合的設計が団地内を一の設計によって同時に建築することを原則とするのに対し、連担建築物設計制度は既存の建築物の存在を前提とした特例的措置となっています。
 また、面積が一定規模以上である広告認定対象区域(総合的設計、連担建築物設計制度の認定がなされ広告された区域)内に新たに別の建築物を建築しようとする場合は、特定行政庁が建築物の位置や構造について許可したときは、その許可の範囲内において容積率制限、斜線制限等が緩和されます(建築基準法第86条の2・第2項)〔H14.7改正〕。

4.2以上の容積率制限にわたる敷地の容積率(法第52条第6項)
 建築物の敷地が、2以上の容積率の地域又は区域の内外にわたる場合、それぞれの地域又は区域に属する敷地の割合ををれぞれの地域又は区域の容積率に乗じ、それぞれの数値を合計したものをその敷地の容積率とします。

(例)

都市計画による指定容積率は
 A部分:500%
 B部分:200%
この場合、前面道路(「8m」の方をとる)が12m未満のため

  A部分:8× 6 48 50
10 10 10

  B部分:8× 4 32 20   (注)
10 10 10

となり、容積率は
(a× 48 )+(b× 20
10 10
 となります。
a+b
具体的には、
 au=400u   bu=600uのとき

400×4.8+600×2.0 1,920+1,200 =3.12(312%)
400+600 1,000

となります。
 (注)4×4/10でも8×6/10でもありませんので注意してください。

(参考)
その他、建築物や敷地が二つ以上の地域・区域にわたる場合は、それぞれ次のように扱われます。
二つ以上の地域・区域にわたる場合の違い
行政区域 敷地の所管面積が最も大きい区域の建築主事の所管となります。
道路位置指定の申請はそれぞれの特定行政庁に行います。
用途地域
特別用途地区
敷地の過半が属する地域・地区の制限が適用されます。
建ぺい率
容積率
加重平均(敷地のうち制限の異なる部分ごとに、建築できる上限面積を計算し、その合計を敷地面積で割ったもの。)
防火地域
準防火地域
建物(敷地ではありません。)が防火地域と準防火地域、又は準防火地域と指定のない地域にわたる場合は、建物の全部について厳しい方の制限が適用されます(防火壁で区画した場合を除きます。)。
高さの制限 高さの制限はそれぞれの地域の特性に合わせて、近隣の日照や通風を保護するものなので、制限の異なる地域ごとに適用されます。

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資料9 建築物の高さの制限

 建築物の高さに関する制限として、
   (1)建築物の各部分の高さの制限(いわゆる斜線制限)
   (2)低層住居専用地域内における建築物の高さの制限(いわゆる絶対高さの制限)
   (3)日影規制
があります。

(1)斜線制限
@ 道路斜線制限(建築基準法第56条第1項第1号・別表)〔H14.7改正〕
 第1種低層住居専用・第2種低層住居専用・第1種中高層住居専用・第2種中高層住居専用・第1種住居・第2種住居・準住居の各地域内の建築物の各部分の高さは、全面道路の反対側の境界線までの水平距離の1.25倍以下に、その他の地域では、1.5倍以下に、制限される(但し、用途無指定区域は、1.25又は1.5)。
 道路斜線制限の適用範囲は、用途地域の別及び容積率の限度に応じて、敷地の接する道路の反対側の境界線からの範囲に限られる(表1)。

表1 道路斜線による建築物の各部の高さの制限
地域 容積率事の全面道路の反対側の境界線からの水平距離の適用範囲 高さの限度(m)
第1種低層住居専用地域(*1)
第2種低層住居専用地域(*1)
第1種中高層住居専用地域(*2)
第2種中高層住居専用地域(*2)
第1種住居地域(*2)
第2種住居地域(*2)
準住居地域(*2)
200%以下…20mまで
200%超300%以下…25(20m)まで
300%超400%以下…30m(25m)まで
400%超…35m(30m)まで

(*2)特定行政庁指定区域については( )内の値
全面道路の
反対側まで
の水平距離

 ×1.25(m)
  (1.5)

(*1)1種・2種低層住専用地域に
   ついては、10m又は12m以下
(*2)特定行政庁指定区域については
   ( )内の値
近隣商業地域
商業地域
400%以下…20mまで
400%超600%以下…25mまで
600%超800%以下…30mまで
1000%超1100%以下…40mまで
1100%超1200%以下…45mまで
1200%超…50mまで
全面道路の
反対側まで
の水平距離

 ×1.5(m)
準工業地域・工業地域
工業専用地域
200%以下…20mまで
200%超300%以下…25まで
300%超400%以下…30mまで
400%超…35mまで
全面道路の
反対側まで
の水平距離

 ×1.5(m)
高層住居誘導地区
(住宅部分の床面積が床延面積の3分の2以上のもの)
35mまで
全面道路の
反対側まで
の水平距離

 ×1.5(m)
用途地域の指定のない区域 200%以下…20mまで
200%超300%以下…25まで
300%超…30mまで
全面道路の
反対側まで
の水平距離

 ×1.25(m)
 または1.5(m)

※全面道路の境界線から後退した建築物の部分の場合は、全面道路の反対側までの水平距離について、後退した距離分だけ反対側の境界線を外側に延長する。


A 隣地斜線制限(建築基準法第56条第1項第2号)〔H14.7改正〕
 第1種中高層住居専用・第2種中高層住居専用・第1種住居・第2種住居・準住居の各地域内の建築物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの水平距離の1.25倍に20mを加えたもの以下に、また、その他の地域(第1種低層住居専用・第2種低層住居専用を除く)では、2.5倍に31mを加えたもの以下に制限されます。但し、用途無指定区域では、1.25(+20)又は2.5(+31)のうちから定められます。第1種低層住居専用・第2種低層住居専用地域には10m又は12mの高さの制限があるから、隣地斜線制限は不適用。

表2 隣地斜線による建築物の各部の高さの制限
用途地域 高さの制限(m)
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
第1種住居地域
第2種住居地域
準住居地域
外壁から隣地
境界線までの
水平距離
各部から隣地
境界線までの
水平距離
)×
1.25+20(m)
(2.5+31)
*左の地域のうち特定行政庁指定区域については( )内の値
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
外壁から隣地
境界線までの
水平距離
各部から隣地
境界線までの
水平距離
)× 2.5+31(m)
*左の地域のうち特定行政庁指定区域については制限なし
用途地域の指定のない区域
外壁から隣地
境界線までの
水平距離
各部から隣地
境界線までの
水平距離
)× 1.25+20(m)
又は
2.5+31(m)


■特定行政庁指定区域内における斜線制限の適用数値の図解



B 北側斜線制限(法第56条第1項第3号)
 第1種低層住居専用・第2種低層住居専用の各地域内の建築物の各部分の高さは、その部分から全面道路の反対側境界線又は隣地境界線までの真北方向の水平距離の1.25倍に5m(第1種中高層住居専用地域・第2種中高層住居専用地域内では10m)を加えたもの以下に制限されます。
 但し、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域で日影による中高層の建築物の高さの制限がある場合には北側斜線制限の適用はありません。

表3 北側斜線制限による建築物の各部の高さの制限
用途地域 高さの限度(m)
(真北方向の水平距離とは、
北側全面道路の反対側境界線又は隣地境界線までの距離のこと)
第1種低層住居専用地域
第2種低層住居専用地域
〔真北方向の水平距離〕×1.25+5(m)
第1種中高層住居専用地域
第2種中高層住居専用地域
〔真北方向の水平距離〕×1.25+10(m)


C 採光等の確保による斜線制限不適用(第56条第7項)〔H14.7改正〕
 斜線制限により確保される採光等と同程度以上の採光等を確保するものとして一定の基準(天空率による計算※)に適合する建築物については、当該制限を適用しない。
※「天空」とは、地上から空を見上げたとき、建築等によって遮られない空の広がりです。
 「天空率」とは、ある建物を建てようとする場合、道路の反対側(隣地)から空を見上げたとき、その建物による天空の程度を示した値です。

(2)絶対高さ制限(法第55条)
 第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域においては、建築物の高さは10m又は12mのうち都市計画で定めた高さの限度を超えてはなりません(第1項)
 但し都市計画で10m以下と定められた地域でも敷地内に一定規模以上の空地があり、かつ敷地面積が一定規模以上の建築物で特定行政庁が低層住宅に係る良好な住居の環境を害する恐れがないと認めた場合は、12m以下とされます(第2項)
 また、敷地の周囲に広い公園・広場等があり低層住宅に係る良好な住居の環境を害する恐れがないとして特定行政庁が許可したもの、学校等その用途によってやむを得ないものとして特定行政庁が許可したものは、10mあるいは12mの限度を超えて建築できます(第3項)

(3)日影規制(法第56条の2)〔H14.7改正〕
 都市計画区域内で、中高層の建築物の高さについては、地方公共団体の条例により、日影による制限(表4)が適用されることがあります。
 地方公共団体の条例で指定する区域内にある「制限を受ける建築物」については、冬至日の真太陽時による午前8時から午後4時までの間(北海道の区域内は午前9時から午後3時まで)において、敷地境界線から水平距離5mを越える範囲においては、定められた高さの水平線に日影を落とす時間が日影時間未満となるよう、建物の高さが制限されます。

表4 日影による制限
(イ) (ロ) (ハ) (ニ)
地域 制限を受ける建築物 平均地盤からの高さ 敷地境界線からの水平距離が5mを越え10m以内の範囲における日影時間 敷地境界線からの水平距離が10mを越える範囲における日陰時間
1種低層住専
2種低層住専
軒の高さが7mを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物 1.5m (1) 3時間 2時間
(2) 4時間 2.5時間
(3) 5時間 3時間
1種中高層住専
2種中高層住専
高さが10mを超える建築物 4m
又は
6.5m
(1) 3時間 2時間
(2) 4時間 2.5時間
(3) 5時間 3時間
1種住居
2種住居
準住居
近隣商業
準工業
高さが10mを超える建築物 4m
又は
6.5m
(1) 4時間 2.5時間
(2) 5時間 3時間
用途地域の
指定のない区域
イ.軒の高さが7mを超える建築物又は地階を除く階数が3以上の建築物 1.5m (1) 3時間 2時間
(2) 4時間 2.5時間
(3) 5時間 3時間
ロ.高さが10mを超える建築物 4m (1) 3時間 2時間
(2) 4時間 2.5時間
(3) 5時間 3時間

(注1)表において、平均地盤面からの高さとは、当該建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面からの高さをいいます。
(注2)日影規制の対象区域及び制限の内容(日陰時間のうちどの規制によるか)は各地方公共団体の条例によります。
(注3)冬至日の真太陽時とは、冬至日の真太陽の時角に基づいた時刻のことで、標準時とは異なります。
(注4)取引物件によっては、条例で更に制限が加えられる場合がありますので、詳細は都道府県、あるいは該当の市区町村に照会をして下さい。
(注5)北海道の区域内では(ニ)欄左段について1時間、右段について0.5時間それぞれ減じます。
(注6)高層住居誘導地区及び都市再生特別地区については、日影規制は適用されません。但し、高層住居誘導地区内であっても、日影規制の対象区域内(高層住居誘導地区を除く。)に日影を生じさせる場合には日影規制が適用されます(建築基準法第57条の2・第4項)〔H14.7改正〕。
(注7)日影規制対象区域外にある高さ10mを超える建物が対象区域内に日影を生じさせる場合は、日影規制が適用されます。

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資料10 その他の建築制限

1.建築基準法による外壁後退と敷地面積制限
(1)第1種又は第2種低層住居専用地域内の外壁の後退距離の制限
 第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域内においては、都市計画で外壁の後退距離(建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離)の限度が、1.5m又は1m以上と定められることがあります(建築基準法第54条第1項、第2項)
 但し、外壁又はこれに代わる柱の中心線の長さが3m以下であったり、物置その他これに類する用途に供され、軒の高さが2.3m以下で、かつ、床面積の合計が5u以内であればこの制限を受けません(令第135条の21)。
(2)敷地面積の制限〔H14.7改正〕
 用途地域内においては、都市計画によって建築物の敷地面積の最低限度が、200uを超えない範囲で定められることがあります。しかし、この制限が定められることで不適格となる等の既存の敷地については、その全部を一つの敷地として使用する場合、原則としてこの制限は適用されません(建築基準法第53条の2)

2.都市計画法による建築物の敷地面積の最低限度
 地方公共団体は、良好な住居等の環境の形成又は保持のため必要と認める場合には、条例によって、開発区域内において予定される建築物の敷地面積の最低限度に関する制限が定められます(都市計画法第33条第4項)。

3.特定防災街区整備地区の建築制限等〔H15.6改正〕
 〔19〕密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(重要事項説明書補足資料)を参照して下さい。

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資料11 条例による制限・その他の制限

1.災害危険区域内での建築物の建築に関する制限
 災害危険区域は、津波、高潮、出水、がけ崩れ等の危険の著しい区域として条例で指定されたものをいいます。
 災害危険区域内においては、地方公共団体の条例により、建築物の建築の禁止その他建築に関する制限がなされます(建築基準法第39条第2項)

2.建築協定による制限
a 建築協定の意義
 建築協定とは、一定区域の土地の所有権者、地上権者、賃借権者が、その区域を住宅地や商業地として環境を改善するために行う建築基準についての協定で、市町村の条例により定められた区域において、特定行政庁の許可を受けて効力が発生します。建築基準法は、公共の福祉からみて必要最小限度の建築規制を行うものですが、建築協定は、所有権者等の合意により望ましい基準を設定したものをいいます。
 なお、この場合の土地の所有権者等というのは、土地の所有権者及び建築物の所有を目的とする地上権又は賃借権を有する者を言いいます。
b 建築協定の効力
 特定行政庁による認可の広告がなされた建築協定は、広告の日以後土地の所有者等になった者に対しても、その効力が及ぶので、それに基づいて、建築物の敷地、位置、用途、形態、意匠又は建築設備について制限がされることがあります(建築基準法第75条)
c 建築協定の認可等の広告の日以降に建築協定に加わった者があった場合
 建築協定区域内の土地の所有者で協定の効力が及ばなかった者が、あとで建築協定に参加した場合、その者が参加したときに所有していた協定区域内の土地については、認可の広告のあった日以後に土地の所有者等となったものに対しても、その効力が及ぶので、それに基づいて、建築物の敷地、位置、用途、形態、意匠又は建築設備について制限がされることがあります(建築基準法第75条の2、第5項)
d 一の土地所有者を定めた建築協定の効力
 条例で定める区域内の土地で、一の所有者以外に土地の所有者等がいないものの所有者は、その土地の区域を建築協定区域とする建築協定を定めることができますが、これにより認可を受けた建築協定は、認可の日から3年以内にその協定区域内の土地に2以上の土地の所有者等がいることとなったときから、通常の認可の広告のあった建築協定と同一の効力のある建築協定となり、その土地の区域内の土地の所有者等になった者に効力が及ぶので、これに基づいて、建築物の敷地、位置、用途、形態、意匠又は建築設備について制限がされることがあります(建築基準法第76条の3、第5項)
e 違反者に対する措置
 建築協定に違反した場合は、違反是正措置が協定に定められることがあります。

3.仮設建築物に対する制限の緩和
 緩和措置が認められるものとしては、次の四つがあります。
@ 非常災害が発生した区域又はこれに隣接する区域で特定行政庁が指定するものの内において、災害発生後1ヶ月以内に着手される次の工事については、防火地域内に建築する場合を除き、法の適用が除外されます(法第85条第1項)。
   T 災害により破損した建築物の応急修繕
   U 国、地方公共団体又は日本赤十字社が行う災害救助のための応急仮設建築物の建築
   V 被災者らが自ら使用するために建築する延べ面積が30u以内の応急仮設建築物の建築
A 災害後建築する公益上必要な応急仮設建築物又は工事施工のために現場に設ける事務所等については、確認申請手続きのほか、構造耐力(法第20条)を除く単体規定及び集団規定は原則として適用しません(法第85条第2項)。
B @及びAの建築物を3ヶ月以上存続させようとする場合には、特定行政庁の許可を得なければなりません(法第85条第3項)。
C 特定行政庁は、仮設興行場等の建築物について1年以内の期間を定めて、その建築の許可をすることができ、この場合防火関係の規定及び美観地区の規定以外の集団規定は適用されません(法第85条第4項)。

4.総合的設計・連担建築物設計制度による広告認定対象区域内の他の建築物に対する制限
 総合的設計、連担建築物設計制度の認定がなされ広告された区域(広告認定対象区域)(建築基準法第86条第1項・第2項)又は容積率等の緩和について許可がなされ広告された区域(広告許可対象区域)(同条第3項・第4項)内において、新たに別の建築物を建築しようとする者は、特定行政庁の認定又は許可を受けなければなりません。(建築基準法第86条の2・第1項、第3項)〔H14.7改正〕

5.都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築に係る制限(建築基準法第68条の9)
 都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体の条例で、次の制限を定めることができます。
   @ 建築物又はその敷地と道路との関係
   A 容積率
   B 建築物の高さ
   C その他建築物の敷地、構造に関する制限

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資料12 敷地の接道義務

1.法による制限
 都市計画区域、準都市計画区域及び指定区域内では、原則として建物の敷地は道路に2m以上接しなければなりません(建築基準法第43条第1項)


2.条例による制限
 地方公共団体によって必要な制限が付加されることがあります(建築基準法第43条第2項)
@ 路地状敷地(敷地延長)
 下の図のような形態の敷地を「路地状部分のみによって道路に接する敷地」といいますが、あまり長すぎるので一般には「敷地延長」と呼ばれています。このような敷地については路地状部分の長さ(l)によって、必要とする幅員(a)の最小限度を条例で定めている地方公共団体があります。


A 特殊建築物、階数が3以上である建築物、一定の窓その他の開口部がない居室を有する建築物、延べ面積が1,000uを超える建築物について、その建築物の用途、規模の特殊性により、2mでは避難又は交通の安全に支障があると認められる場合は、地方公共団体によって必要な制限が付加されることがあります。

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資料13 道路の種類

1.接面道路の種類
 一般に使われている公道・私道の区分とは別に、建築基準法では道路を次のように分類しています。
 (建築基準法上の道路は、道路法や道路交通法による道路とは必ずしも同じものではありません)

道 路 の 種 別
建築基準法の条項 摘要






42
第1項 次の1〜5号に該当する幅員4m(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では6m)以上のもの。
第1号 道路法による道路(国道、都道府県道、市区町村道等の公道)。
第2号 都市計画法、土地区画整理法、旧・住宅地造成事業に関する法律、都市再開発法等によって築造された道路。
第3号 建築基準法の施行日〔昭和25年11月23日。それ以降に都市計画区域に指定された地域ではその指定された日(基準時といいます。)〕現在既に存在している道(公道・私道の別はは問いません。)
第4号 都市計画道路等で2年以内に事業が執行される予定で、特定行政庁が指定したもの。
第5号 私人(一般の個人や法人)が築造した私道で、特定行政庁がその位置を指定したもの。
(一般に「位置指定道路」と呼ばれています。)
第2項 基準時(第1項第3号に同じ。)現在既に建築物が立ち並んでいた幅員4m未満の道路で、特定行政庁が指定したもの。
(公道・私道の別を問いません。一般に「42条2項道路」又は単に「2項道路」と呼ばれています。)
上記の道路等に
該当しない
現況が道路上で永年道路として利用されているものでも、上の6種類のどれにも該当しないものは、建築基準法上の道路ではありません。従って、上記の道路等に接していない敷地では、原則として建築物の建築はできません
 なお、上記の道路等に接していない場合でも、「その敷地の周囲に広い敷地を有する建築物その他国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの」については、例外的に接道義務が摘要除外となり、建築が認められる場合があります(いわゆる「但書道路」法第43条第1項但書)。
 従前、この「但書道路」は建築主事の裁量によって設定されていましたが、平成10年6月の建築基準法の改正で、上記の通り特定行政庁による許可が必要となりました。

〔接道の特例許可の要件〕 法第43条第1項但書・施行規則第10条の2
次のいずれかに該当すること

1)広い空地が周囲にあること
2)農道等に接していること
3)道に通ずる通路に接していること

2.42条2項道路
 建築基準法第42条第2項に該当する4m未満の道路は、原則として、その道路中心線から2m(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内では3m)の位置が、道路と敷地の境界とみなされるため、「道路」としての部分を確保しなければ、建築に必要な建築確認を受けられません。
 従って、この道路中心線から2mまでの「道路該当」部分には、建物や塀などを建てることはできません。
 この後退すること又はその部分を一般に「セットバック」と呼んでいます。また、法律上一方的に道路とみなされるため「みなし道路」と呼ぶこともあります。

*( )内は特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する6m区域内の場合
 (注)
   (a)道路の中心線から敷地側に2m(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内では3m)後退した線が敷地と道路の境界線とみなされ、この部分には建物はもちろん、門・塀等も建築することはできません。また、建ぺい率や容積率もこの部分を除いた「有効敷地面積」で計算されます(上記図の(A)参照)。
   (b)道路中心線から2m以内に川・がけ地・鉄道路線敷地等がある場合は、その側が後退することは不可能なので、これらのものと道路との境界線から敷地側に4m後退した線が「みなし道路」の境界線となります(図の(B)参照)。
   (c)セットバック(みなし道路)部分は、一般には直ちに道路上に築造することまでは要求されませんが、この部分に接続して「位置指定道路」を設ける場合や、建ぺい率の角地割増し(建ぺい率の制限の項参照)の適用を受ける場合は、道路上に築造する必要があります。

3.43条3項道路
 特定行政庁は、土地の状況によりやむを得ない場合において、道路中心線から2m未満1.35m以上の範囲内の位置、また、川・がけ地等のある場合はこれらのものと道路との境界線から敷地側に4m未満2.7m以上の範囲内で後退した位置を道路と敷地の境界線として指定することができます(建築基準法第42条第3項)。これは42条2項道路の特例で、土地の状況によりやむを得ない場合の緩和規定です。
 地方公共団体は、交通上、安全上、防火上又は衛生上必要があると認めるときは、この3項道路にのみ2m以上接する建築物について、条例で、その敷地、構造、建築設備又は用途に関し必要な制限を付加することができるとされています(建築基準法第43条の2)〔H15.6改正〕。

4.道路に関するその他の制度等
 (1)道路内の建築制限
 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、原則として道路内に突き出して建築・築造してはいけません(建築基準法第44条第1項)

 (2)壁面線による建築制限
 建築物の位置を整えその環境の向上を図るために必要があると認める場合において、特定行政庁が、建築審査会の同意を得て壁面線を指定することができるとされています(建築基準法第46条第1項)。
 壁面線が指定されると、建築物の壁、柱又は2mをこえる門、塀は、この壁面線を越えて建築してはなりません(建築基準法第47条)

 (3)地区計画等の区域内における特例等
 @ 道路の位置指定に関する特例(建築基準法第68条の6)
 法第42条第1項第5号の道路位置の指定に関しては政令による一般的技術的基準のほかに、計画に定められた道の配置に即して行わねばなりません。
 A 予定道路の指定(建築基準法第68条の7)
 一定の場合、特定行政庁は、計画で定められた道の配置及び規模に即して予定道路の指定を行うことができ、予定道路を前面道路とみなして、容積率の計算(建築基準法第52条第2項〜第6項、第8項)をすることができます。但し、予定道路の部分は、敷地面積に算入しません。また、その予定道路の区域内における建築物の建築又は敷地を造成するための擁壁の築造を禁止することができます。
 なお、予定道路を指定する場合には、原則として、建築審査会の同意、公開の聴聞等の手続が必要です。
 (注)この特例は、地区計画等において道の配置及び規模が定められる場合の特例です。

5.私道にかかる制限
 (1)私道の変更と廃止
 私道の変更又は廃止により、敷地が接道義務を満たさなくなる場合は、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができます(建築基準法第45条第1項)
 (2)位置指定道路と2項道路
 個人(私人)が所有している私道でも、その位置や形状を変更したり廃止したりするときは、関係者全員の同意を得て「位置指定道路」の変更又は廃止の手続が必要です。
 変更又は廃止することによって、資料12の接道義務に抵触することとなる敷地がある場合は、その変更や廃止は禁止又は制限されます。「42条2項道路」に該当する私道についても、ほぼ同様の制限があります。

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資料14 土地区画整理法

(昭和29.5.20)最近改正 平成11.12.22 法160
1.土地区画整理事業の目的
 土地区画整理事業とは、都市計画区域内の土地について、土地の区画形質の変更を行い、公共施設の新設・変更を行うことによって、宅地の利用の増進と公共施設の整備を図ることを目的として行われる事業のことです。

2.土地区画整理事業の施行者
 土地区画整理事業の施行者は、次のものに限られています。
 @ 個人(一人、数人(農住組合を含む))
 A 土地区画整理組合
 B 都道府県又は市町村(地方公共団体)
 C 国土交通大臣、都道府県知事・市町村長
 D 都市基盤整備公団
 E 地域振興整備公団
 F 地方住宅供給公社

3.事業の進め方
 土地区画整理事業のおおまかな流れは次の通りです。なお、次に示したものは、地方公共団体が施行する場合についてですが、その他の場合にも大筋はあまり変わりありません。
   @ 施行区域(地区)の決定
       ・・・・・まちづくりの観点から事業を施行する地区を選定し、都市計画の決定をします。
(注)「施行地区」とは土地区画整理事業を施行する土地の区域のことですが、都市計画事業として施行される事業については「施行区域」となります。
   A 現況測量・調査の実施
       ・・・・・事業計画策定のため、土地、建物等の現況を正確に把握します。
   B 事業計画・施行規程の設定
       ・・・・・事業の基本である設計、資金計画等について、知事の認可を経て決定します。
   C 審議会委員の選挙、評価員の選任
       ・・・・・審議会は、関係権利者の意見反映のための機関として土地所有者・借地権者・学識経験者から選ばれて、事業施行の重要な事項について審議します。また、土地・建物の評価のため評価員が審議会の同意を得て選任されます。
   D 換地の設計
       ・・・・・事業計画及び個々の宅地の現況等に基づき、整理後の個々の宅地(これを「換地」といいます。)の区画を設計します。
   E 仮換地の指定
       ・・・・・移転や工事の必要から、審議会の意見を聴き、換地の前提となる仮の換地(これを「仮換地」といいます。)の区画を設計します。
   F 建物等の移転、道路等の工事
       ・・・・・仮換地が指定されますと、現在地から仮換地へ建物等を移転することになります。これに併行して道路、下水道、電気、ガス、水道等の工事を行います。
   G 町界・町名・地番の変更、整理
       ・・・・・新しい街区に従って、必要に応じて行います。
   H 換地処分
       ・・・・・すべての工事が完了した後、換地計画を作成し、その内容(各筆換地明細、各筆各権利者別精算金明細など)を関係権利者あて通知して行われます。
   I 土地・建物の登記
       ・・・・・土地・建物の変動に伴う登記を、施行者がまとめて行います。
   J 精算金の徴収・交付その他
       ・・・・・事業の最終段階として、関係権利者の換地について、不均衡がある場合には、これを金銭により是正する(これを「精算金の徴収・交付」といいます)など必要な調整を行います。

4.仮換地の指定とは
 @ 仮換地指定の目的
 仮換地の指定とは、土地区画整理事業の円滑な進捗を図り関係権利者の権利関係が実質上換地処分がなされたと同じような効果を生じさせるために、換地計画において定められている換地の位置、範囲を仮に指定する処分のことです。

 A 仮換地指定の方法
 仮換地の指定は施行地区内の宅地の所有者及び宅地についての地上権、永小作権、賃借権、その他宅地を使用し、又は収益することができる者に対し行われます。
 即ち仮換地の指定は、仮換地となるべき土地の所有者、従前の土地所有者及び所有権以外の権利を有する者に対して「仮換地指定書」(仮換地位置図を添付)で行われますが、その指定する内容は次の通りです。
   T 仮換地の位置
   U 仮換地の地積
   V 仮換地指定の効力発生日
   W 仮換地の使用収益を開始することができる日を別に定める場合には、使用収益の開始の日

 B 仮換地指定の法的効果
 仮換地が指定された場合には、従前の宅地について、所有権、賃借権等を有していた者は、仮換地指定の効力の発生の日から換地処分の広告の日まで、仮換地について従前の土地に存する権利と同じ内容の使用収益権を取得するかわりに、従前の土地に存した使用収益権を停止されます(法第99条第1項)。
 従って、自己の宅地を他人の宅地の仮換地等に指定された場合、その者は自己の宅地を使用、収益することができなくなります(法第99条第3項)。

 C 従前の土地の売買(仮換地指定後)
 仮換地指定後の従前の土地の所有者は、従前の土地の使用収益権を停止されるだけで、売買等の処分権まで禁止したものではありませんので従前の土地の売買は可能です。また、第三者に対抗するための移転登記も従前の土地について行います。但し買い受けた後実際に使用収益ができるのは仮換地となります。

 D 従前の土地の一部売買(仮換地指定後)
 従前の土地の一部を売買する場合、仮換地のどの部分を買い受けたかわからなくなりますので、仮換地のどの部分の売買を目的とするのか十分に明確にしておくことが必要となります。

 E 減価補償金・精算金の帰属
 仮換地の売買においては減価補償金、精算金の帰属を明確にしておきます。実務上は将来に問題を残さないよう買主帰属とするほうがベターです。

5.換地処分とは
 @ 換地処分とは、換地計画に係る区域の全部について、換地計画通りに工事が完了した後、施行者が、従前の宅地の関係権利者に対し、工事完了後の土地を割り当てる処分のことです。
 なお、換地処分は、関係権利者に対し「換地処分通知書」によってなされます。
 施行者は換地処分をした場合においては、その旨を遅滞なく知事に届けなければならないとされています。
 知事は都道府県が換地処分をした場合又は施行者の届出があった場合、換地処分の広告を行うことになります。
 換地処分の効果はこの広告をもとに発生します。

 A 換地処分の効果
 換地処分の効果は、換地処分の公告があった日の翌日に次の効果が生じることになります。
   T 所有権、その他使用収益権の換地への移行
   U 換地計画で定められた精算金の確定
   V 施行者による保留地の原始取得

 B 換地処分に伴う登記
 施行者は、換地処分の公告があったときは、その旨を登記所に通知し、また申請することによって登記が行われます。
 換地処分によって土地及び建物登記簿が書き換えられても新しい登記済証(権利証)は交付されません。
 但し換地処分前の土地が2筆以上に対し、換地処分後の土地が1筆となった場合は新しく登記済証が交付されます。

 C 登記簿の閉鎖
 換地処分の公告があった日以降は登記簿が長期間閉鎖されることがあります。この間の権利移動については組合の台帳に記入され、また確定日付のある契約書により換地処分の公告前に登記原因を生じたことを証明できれば、登記申請はできますが、登記済証や謄本が融資の実行等に必要な場合は注意する必要があります。なお、保留地の売買については、保留地証明が必要であり、原則として住宅ローンの借入れができません。

 D精算金
 精算金とは区画整理事業を行う前の土地(従前の土地)と、事業をした後の土地(換地)をそれぞれ評価し、従前の土地の評価額が換地の評価額より多いときは精算金が交付され逆の場合は精算金が徴収されます。
 精算金は換地処分公告のあった日の翌日に確定します。
 なお、土地が共有地の場合、持分によって各権利者に按分して精算されます。

 E仮換地上の建物
 仮換地の指定がなされた後に建てられた建物の表示の登記は、当該仮換地のいわば底地が表示されます。
 即ち次のように建物の表示登記がなされますので重ね図あるいは仮換地の証明書によって、従前の土地と仮換地が一致しているかを確認しておくことが必要です。

所在:A市B町C
従前の土地 仮換地
地番 地積 地番 地積
441(四四一) 000.00u 10-1 000.00u
442(四四二) 000.00u 10-2 000.00u
443(四四三) 000.00u 10-3 000.00u

6.保留地とは
 @ 保留地とは、土地区画整理事業の費用に充てるなど一定の目的のため換地として定めない土地のことです。
 A 保留地の帰属
 保留地は指定がなくても、これにより直ちにその所有権が施行者に移るのではなく、換地処分の公告(土地区画整理法第103条第4項)がなされた日の翌日に施行者による換地処分に伴う一括登記により、施行者を所有者とする保留地所有権の保存登記をすることになるため、これ以前に保留地の売買が行われた場合はいうまでもなく、換地処分の公告後であっても、施行者のための保存登記が完了するまでは、保留地の権利を第三者に対抗するための保留地所有権移転登記を受けることができません。
 B 保留地の売買
 保留地の売買は、従前の土地が存在しませんので、当該保留地の使用収益権を移転させるにとどまります。
  したがって、信用力の点で劣る個人施行や、組合施行の場合の保留地の売買にあたっては、二重売買などに注意を払う必要があり、区画整理事務所備付の簿書に買受人として登載されているものがないか、保留地を現実に占有しているものがないかを確認する必要があります。

7.土地区画整理事業に係る制限の内容
 (1)土地区画整理事業の施行地区内における換地処分の公告の日までの建築等の制限

 土地区画整理事業が、都市計画において当該事業の施行区域として定められた区域の土地において施行されるときは都市計画事業として施行されます。
 この都市計画による施行区域の決定(計画決定)から、施行主体を決め、この事業決定(許可)の開始を経て、土地区画整理事業の完了までにはかなりの日時を要します。このためこの事業をスムーズに遂行するために、区画整理事業の工事の障害となる建築行為については次の制限があります。
@ 都市計画で定めている区域(施行区域)での建築制限
 都市計画で土地区画整理事業として施行する施行区域が計画決定(告示のあった日)されますと、施行区域内において、建築物を建築しようとする者は、都市計画法第53条第1項の規定により知事の許可を受けることになります。即ち、街路計画の計画決定段階と同じ規制となります。
 なお、この第53条第1項の建築規制がなされる時期は、都市計画で施行区域の告示のあった日から土地区画整理事業の事業決定(認可)の公告日の前日までとなります。知事の許可が受けられる建築物は次のものです。
T 都市計画に適合した建築物であるとき。
U 次のいずれにも該当し、かつ、容易に移転し、又は除却できるものであるとき。
   (a)階数が2以下で、かつ、地階を有しないこと。
   (b)主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これに類する構造であること。
A 事業決定(認可)から換地処分までの建築行為の制限(土地区画整理法第76条第1項)
 土地区画整理事業の工事の開始から完了まで、即ち次のときから換地処分の公告の日まで、土地区画整理法第76条第1項の規定により建築行為は知事(国土交通大臣)の許可が必要となります。即ち街路計画の事業決定段階の規制と概ね同じ内容です。
T 個人・農住組合施行の場合:事業施行の許可の公告の日から換地処分の公告の日まで
U 組合施行の場合:組合設立の認可の公告の日から換地処分の公告の日まで
V 公共団体施行・行政庁施行の場合:事業計画の決定公告の日から換地処分の公告の日まで
W 公団・公社施行の場合:施行規定及び事業計画の認可の公告の日から換地処分の公告の日まで
  なお、第76条第1項の規定による建築行為の制限は次のものです。
 (a)土地の形質の変更
 (b)建築物の新築、改築若しくは増築
 (c)工作物の新築、改築若しくは増築
 (d)移動の容易でない5tを超える物件の設置又は堆積

(2)仮換地指定に伴う従前の宅地の使用収益の制限
 仮換地が指定されると、従前の宅地について権限に基づき使用、収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地について、従前と同じ内容の使用、収益ができるとともに、従前の宅地については、使用、収益することができなくなります(土地区画整理法第99条第1項)。もっとも、仮換地について使用、収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることとされたときは、その日までは仮換地を使用、収益することができません。自己の宅地を他人の宅地の仮換地等に指定された場合は、その者は自己の宅地を使用、収益することができなくなります(土地区画整理法第99条第3項)

(3)使用収益停止処分に伴う使用収益の制限
 施行者が、工事の施行を円滑に行うため、換地計画において換地を取得又は利用しないこととされる所有者や賃借権者等に対して、その宅地の使用収益の権能を期日を定めて停止した場合は、その所有者や賃借権者等はその期日から換地処分の公告がある日まで使用収益することが禁止されます(土地区画整理法第100条第2項)

(4)住宅先行建築区における住宅の建築
 土地区画整理事業施行地区全体の住宅の建設を促進するための住宅先行建設区域内においては、換地等を指定された宅地の所有者等は、指定期間内に住宅を建設しなければなりません。これに従わない場合は、指定の取消等の措置が講じられます(土地区画整理法第117条の2、第1項、第2項、第3項、第4項)。

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資料15 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)

平成12.5.8 法57
(目的)
 土砂災害から国民の生活及び身体を保護するため、土砂災害が発生する恐れがある土地の区域を明らかにし、当該区域における警戒避難体制の整備を図るとともに、著しい土砂災害が発生する恐れがある土地の区域において、一定の開発行為を制限するほか、建築物の構造の規制に関する所要の措置を定めること等により、土砂災害防止対策の推進を図り、公共の福祉の確保をすることとされています。

1.土砂災害警戒区域
 都道府県知事は、関係市町村長の意見を聞いて、基本方針に基づき、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、住民等の生命又は身体に危険が生ずる恐れがあると認められる土地の区域で、土砂災害を防止するために警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域として一定の基準に該当するものを「土砂災害警戒区域」(以下、「警戒区域」といいます。)として、指定することができます(法第6条第1項、第3項)。

2.土砂災害特別警戒地域
 @ 都道府県知事は、関係市町村長の意見を聞いて、基本方針に基づき、「警戒区域」の中で、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ、住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずる恐れがあると認められる土地の区域で、開発行為や建築物の構造について、一定の基準に該当するものを「土砂災害特別警戒区域」(以下、「特別警戒区域」といいます。)として、指定することができます(法第8条第1項、第3項)。
 A 特別計画区域内においては、災害を未然に防止する観点から、住宅・宅地分譲及び社会福祉施設等の一定の建築物(予定建築物)の立地のための開発行為(特別開発行為)を行う者は、都道府県知事の許可を受けなければなりません(法第9条第1項、第2項)。
 許可が必要となる予定建築物とは、用途が以下のものである場合です。
   ・住宅(但し、自己居住用は除かれます。)
    →自宅の建設のための開発行為は許可不要ですが、住宅宅地分譲のための開発行為等は許可が必要となります。
   ・高齢者、障害者、乳幼児等が利用する社会福祉施設(老人福祉施設、有料老人ホーム、身体障害者・知的障害者援護施設、母子福祉施設等)
   ・学校(盲学校、聾学校、養護学校、幼稚園)
   ・医療施設(病院、診療所、助産所)
 なお、開発区域内において、当該許可に係る土砂災害を防止するための工事等の全てが完了して、その旨が公告されるまでは、上記の制限用途の建築物は建築できません(法第18条)。
 B 特定開発行為の許可を受けようとする者は、以下の事項を記載した申請書を提出しなければなりません(法第10条)。
   (1)特定開発行為をする土地の区域の位置、区域、規模
   (2)予定建築物の用途、その敷地の位置
   (3)予定建築物における土砂災害を防止するための工事等(対策工事)の計画
   (4)工事に係る着手予定日及び完了予定日
 C 特定開発行為の許可を受けた者はB(2)(3)に掲げる事項の変更をしようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければなりません(法第16条)。
 D 特定開発行為の許可を受けた者は、当該許可に係る対策工事の全てが完了した時は、その旨を都道府県知事に届け出なければなりません(法第17条第1項)。
 都道府県知事は、届出をした者に対して、技術的基準に適合している場合は、検査済証を交付する(法第17条第2項)とともに、対策工事が完了した旨を公告することとなります(法第17条第3項)。
 E 特別警戒区域内では、居室を有する建築物については、建築基準法に基づく政令において、土砂災害に対する安全性が確保されるような構造の基準が定められる(法第23条)とともに、建築確認を受けなければなりません。
 F 都道府県知事は、特別警戒区域内における建築物の所有者、管理者、占有者に対して、移転等の勧告を行うことができる(法第25条)とともに、当該勧告を受けて移転する者のために、資金の確保等の支援措置を講じるよう努めるものとされています(法第27条)。

◆土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域の確認方法
 都道府県知事は、指定するときは、指定区域や土砂災害の発生原因となる自然現象の種類を明示して、都道府県の公報に掲載することとなっています。また、関係図書が市町村長にも送付されることになっていますので、市町村役場の担当部局で確認できます。

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資料16 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

 (目的)
 この法律は、住宅の性能に関する表示基準及びこれに基づく評価制度を設け、住宅に係る紛争の処理体制を整備するとともに、新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕疵担保責任について特別の定めをすることにより、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益保護等を図ることを目的としています。
 (法律の概要)
 この法律は、1.住宅性能表示制度、2.住宅に係る紛争処理体制、3.瑕疵担保責任の特例の三つの内容で構成されています。

1.住宅性能表示制度
 住宅性能表示制度は、住宅の性能を共通のルールに基づいて表示することにより、住宅購入者が複数の住宅を相互比較できるようにするために創設された制度です。
 ポイントをまとめると次の通りです。
 @ この制度を利用するか否かは、住宅供給者・購入者の任意です。法律上の義務ではありません。
 A 利用を希望する場合は、国土交通大臣が指定した「指定住宅性能評価機関」に対し、一定の手数料を支払い、評価の申請をします。
 B 指定住宅性能評価機関が行う評価には、住宅の設計段階で行うものと、完成後に行うものと2種類あり、設計段階で行う評価結果については「設計住宅性能評価書」が、完成後に行う評価結果については「建築住宅性能評価書」がそれぞれ交付されます。
 C 指定住宅性能評価機関が交付した住宅性能評価書やその写しを売買契約書に添附等すると、当該評価書に記載された性能を有する住宅を引き渡す契約をしたものとみなされます。但し、評価書を契約内容としないことを、用途契約書面で定めた場合は、この限りではありません。

2.住宅に係る紛争処理体制
 住宅に係る紛争処理の円滑化・迅速化を図るため、国土交通大臣により「指定住宅紛争処理機関」が指定され、紛争のあっせん・調停・仲裁といった裁判外の紛争処理にあたっています。
 但し、この紛争処理システムを利用できるのは、今のところ本法による性能評価を受けた住宅に限られています。
 指定住宅紛争処理機関としては、各地にある単位弁護士会が指定されています。

3.瑕疵担保責任の特例
 新築住宅の基本構造部分について、売主(及び新築工事の請負人)の負うべき瑕疵担保責任期間が完成引渡しから10年に義務付けられる等、瑕疵担保責任の強化が図られました。
 従来の民法・宅地建物取引業法の規定との関係でまとめると以下の通りです(売買契約を前提に記述しています)。

新築住宅の売買に係る瑕疵担保責任の整理表
民法・宅地建物取引業法 品確法
瑕疵担保責任期間  買主が瑕疵があることを知ってから1年。
 但し、売主が宅地建物取引業者の場合は、宅地建物取引業法の規定により、引渡しから2年以上とする特約が可能。
 完成引渡しから10年。
 但し、買主は瑕疵があることを知ってから1年以内に請求する必要がある。
責任を負うべき
住宅の部分
 新築・中古に限らず、その住宅のすべての部分。  新築住宅の基本構造部分(柱・梁などの構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分)。
買主が請求又は
行使できる権利
@ 損害賠償
A 契約の解除(瑕疵により契約の目的が達成できない場合に限る)
@ 損害賠償
A 契約の解除(瑕疵により契約の目的が達成できない場合に限る)
B 修補請求(民法上は規定なし)
特約の可否  民法上、瑕疵担保責任の規定は任意規定であり、特約により責任の排除・軽減が可能。
 但し、売主が宅地建物取引業者の場合は、瑕疵担保責任期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、買主に不利になる特約は無効。
 品確法の規定により買主に不利となる特約は無効(強行規定)。

※新築住宅・・・新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建築工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く。)をいいます。

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資料17 公有地拡大推進法(公有地の拡大の推進に関する法律)

 この法律は、都市の健全な発展と秩序ある整備を促進するため必要な土地の先買いに関する制度の整備、地方公共団体に代わって土地の先行取得を行うこと等を目的とする土地開発公社の創設その他の措置を講ずることにより、公有地の拡大の計画的な推進を図り、もって地域の秩序ある整備と公共の福祉に資することを目的としています(第1条)。
1.都市計画道路等の区域における届出義務
 一定面積(50u〜200uの間で地域ごとに定められる)以上の土地を有償で譲渡しようとする場合、当該土地が都市計画道路等の都市計画施設の区域に一部でも含まれているときは、届出が必要となります。
 また、次に記載のとおり、この他にも届出が必要となる区域や面積要件があります。
2.土地譲渡の届出義務
 次に揚げる土地を所有する場合、当該土地を有償で譲り渡そうとするときは、原則として、当該土地が所在する市町村の長を経由して、都道府県知事に届け出なければなりません(第4条第1項)。
 @ 都市計画施設(土地区画整理事業でBに規定するもの以外のものを施行する土地に係るものを除く。)の区域内に所在する土地
 A 都市計画区域内に所在する土地で次に掲げるもの(Bに規定する土地区画整理事業以外の土地区画整理事業を施行する土地の区域内に所在するものを除く。)
   一 道路の区域として決定された区域内に所在する土地
   二 都市公園を設置すべき区域として決定された区域内に所在する土地
   三 河川予定地として指定された土地
   四 その他これらに準ずる土地として政令で定める土地(史跡・名勝、港湾施設の区域、飛行場予定地内等)
 B 新たな市街地の造成を目的とする土地区画整理事業で、都道府県知事が指定し公告したものを施行する土地の区域内に所在する土地
 C 新土地基盤整備事業または住宅街区整備事業の施行区域として定められた土地の区域内に所在する土地
 D 生産緑地地区の区域内に所在する土地
 E 都市計画区域内に所在する土地でその面積が次に掲げる規模以上のもの
   一 市街化区域または基本計画に定める重点地域の区域 5,000u以上
   二 都市計画区域(前号に掲げるものを除く。)10,000u以上
      ただし、当該土地の面積が政令で定める規模(都道府県の規則で50u〜200uの範囲で定める。定めのない場合は200u)未満の場合は、届出は必要ありません(第4条第2項第9号)。
3.土地譲渡の制限
 土地譲渡の届出をした場合は、次に掲げる区分に応じ、当該各項に掲げる日または掲げる時までの間、当該届出等に係る土地を当該地方公共団体等以外の者に譲り渡してはなりません(第8条)。
 @ 地方公共団体等が土地の買取りの協議を行う旨の通知があった場合、当該通知があった日から起算して3週間を経過する日(その期間内に土地の買取りの協議が成立しないことが明らかになったときは、その時)
 A 土地の買取りを希望する地方公共団体等がない旨の通知があった場合、当該通知があったとき
 B 届出等をした日から起算して3週間以内に通知がなかった場合、当該届出等をした日から起算して3週間を経過する日

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